研究課題
これまでにHOIL-1Lのユビキチンリガーゼ活性がLUBACの直鎖生成活性を抑制することで、細胞死が亢進することを見出しており、そのメカニズム解析を行った。HOIL-1LのE3活性を消失させるとHOIL-1L自身のユビキチン化が消失したことから、HOIL-1LがLUBAC自身をユビキチン化することを見出した。またLUBAC自身のユビキチン化がLUBACの直鎖生成活性を制御するメカニズムを探索した。これまでに直鎖を特異的に切断する脱ユビキチン化酵素であるOTULINを欠損すると、LUBAC自身が顕著に直鎖化され、LUBAC自身の機能が低下することが報告されている。LUBACはユビキチンを認識し、直鎖を形成するので、HOIL-1LによってLUBACに付加されたユビキチンに直鎖が付加され、その結果LUBACの活性化が減弱するか解析を行った。そのためにCRISPR/Cas9システムでOTULIN欠損細胞を樹立した。OTULIN欠損細胞ではLUBACの活性化が減弱し、細胞死が亢進したが、HOIL-1Lのユビキチンリガーゼ変異をもつOTULIN欠損細胞では細胞死が顕著に抑制されることを見出した。またHOIL-1Lのユビキチンリガーゼ活性を消失させたマウスの解析を行い、HOIL-1Lユビキチンリガーゼ変異マウスでは組織全体で直鎖量が増大し、LPS+D-Galによる急性肝炎に耐性であることを見出した。またSHARPINが欠損することで慢性皮膚炎を呈するcpdmマウスとの交配を行ったところ、皮膚炎が顕著に改善することを見出した。これらの解析から細胞、マウスレベルでHOIL-1LによるLUBAC制御メカニズムの重要性を示した。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)
Cell reports
巻: 23(4) ページ: 1192-1204
10.1016/j.celrep.2018.03.112.