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2017 年度 実施状況報告書

骨形成因子(BMP)による未分化性維持と腫瘍化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K15610
研究機関東京大学

研究代表者

森川 真大  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (80775833)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードBMP / ヘテロクロマチン / 腫瘍化
研究実績の概要

本研究では、BMPが持つ未分化性維持・腫瘍化と分化促進という二面性に注目し、腫瘍化の分子機構を解明して、その制御法を開発することを目指す。平成29年度は、Smad1/5のChIP-seqデータから予想されるエピジェネティック因子に関して、ヒストン脱メチル化酵素Aを同定した。さらに生化学的な検討を進め、Smadが相互作用することにより、酵素Aの機能が阻害されていることを示唆するデータを取得している。

1)SmadノックアウトES細胞におけるヒストンの修飾などのエピジェネティックマーカーの評価:MERVL、Zscan4遺伝子の発現に与える影響とSmadとの結合を指標にスクリーニングを行い、ヒストン脱メチル化酵素Aを同定した。
2)転写因子Smadとゲノム上で相互作用するエピジェネティック因子の同定と、マウスES細胞からの分化系での検討:Smadと相互作用する脱メチル化酵素Aを同定した。Smadが酵素Aと結合する部位の範囲を狭めていったところ、SmadのMH2ドメインが酵素Aとの結合に重要であることを明らかにした。この酵素Aに関しては既にノックアウトES細胞も報告されており、Smad1/5ノックアウトES細胞とは逆の表現型を示すことが報告されている。従って、Smadが酵素Aの機能を阻害することが予想された。実際に、Smad-酵素Aの相互作用の結果、酵素A-クロマチンの結合が減弱する傾向にあることを、293T細胞の核抽出物、もしくは精製蛋白を用いたin vitroの系で確認し、さらにヒストンペプチドアレイを用いた系で網羅的に評価した。
3)未分化能・腫瘍形成能の評価として免疫不全マウスにおける奇形腫形成能で評価:酵素Aの同定やSmad-酵素Aの相互作用を検討することを優先したため、平成29年度に予定していた免疫不全マウスでの予備実験は平成30年度に実施することとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

エピジェネティック因子の同定と腫瘍形成能における機能評価を目標としている。今年度までで、Smadと相互作用する脱メチル化酵素Aを同定し、詳細な生化学的評価を行った。おおむね予定通り順調に進捗していると考える。

今後の研究の推進方策

1)、2)に関し、マウスES細胞において、脱メチル化酵素AとSmadの機能に関して引き続き解析する。
3)に関して、免疫不全マウスでの奇形腫形成能で、腫瘍化への影響を評価する。そして、得られた成果をまとめて論文投稿する。

次年度使用額が生じた理由

今年度は免疫不全マウスでの実験の予備実験を予定していたが、次年度に行うこととしたため。

備考

東京大学大学院医学系研究科病因・病理学専攻分子病理学分野(宮園研)ホームページ
http://beta-lab.umin.ac.jp/

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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