筋組織特異的な中間径フィラメントであるデスミンのリン酸化の生理的意義を明らかにするため、デスミンリン酸化不全マウスを作製した。デスミンリン酸化不全マウスは野生型マウスと比べ、外観の差は認められなかった。一方で、心筋のデスミン発現が経時的に減少することが分かり、心機能の評価が今後の課題となった。また、骨格筋に関しては、グリセロール投与による急性骨格筋障害を誘導すると、デスミンリン酸化不全マウスは野生型マウスに比べ、障害範囲が広く、筋再生の遅延がみられた。今後、既存筋組織の恒常性について、そして筋肉幹細胞である筋衛星細胞からの分化異常について詳細な機能解析が必要である。
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