我々はPD-L1 3´-UTRに結合し発現を制御するRNA結合タンパク(RBP)を同定するために、これまでにLuciferase assay、iSRIM法を用いた網羅的スクリーニングを実施した。得られたPD-L1を制御するRBPの候補に対し、siRNAを用いたノックダウン実験を行って候補の遺伝子を更に絞り込んできた。これらの結果を踏まえ、得られている候補RBP分子のPD-L1の発現に対する影響について更に検証を行った。異なるsiRNAコンストラクトを用いたノックダウンの再現実験や、細胞株にてCRISPR/Cas9システムにより候補RBPのノックアウトを行ってPD-L1の発現量変化を評価する系を構築し、これらの候補RBPの機能について評価を行った。ある遺伝子においては、CRISPR/Cas9による遺伝子ノックアウトの結果、細胞表面のPD-L1発現量増加がFACSで確認された。現在、マウス移植モデルを利用した生体内でのRBPのPD-L1制御作用やadaptive immuneを評価するモデルを構築中である。
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