研究実績の概要 |
肺癌細胞株(A549、H522等)及び肺線維芽細胞(IMR-90、MRC-5)の種類を増やして、3次元培養を行った。また、細胞量やマトリゲルの種類や濃度の調整についても検討した。 免疫組織化学的には、サイトケラチンやVimentin等の数種類の抗体で染色可能であることが確認された。microRNA in situ hybridization(ISH)に関しては、発現量の多いとされるmiR-21に加えて、miR-98、miR-199aなどでの検討を行ったが、染色性は弱く、さらなる検討が必要と考えられた。miR-199aの標的遺伝子であるcaveolin-1については、免疫染色の条件検討を終了している。 肺癌手術例のホルマリン固定パラフィン包埋材料(FFPE)での肺腺癌間質の線維化の量や種類については検討を継続した。昨年行われているScar gradeや浸潤径、Fibrous scar内への腫瘍浸潤については症例数を増やして検討し、肺癌や多臓器の癌での文献等を参考に腫瘍胞巣周囲の線維増生や腫瘍周囲の線維化の幼若度等も評価した。線維化巣の腫瘍の局在や腫瘍量、腫瘍胞巣間の間質量では、予後との相関が認められた。 Tissue micro array(TMA)に対しては、CAF関連蛋白としてα-SMA, calumenin, podopraninの染色を施行した。また、miR-21のmicroRNA ISHも施行済みである。引き続き臨床病理学的因子や予後などについての単変量・多変量での解析を進める予定である。今後も追加で検討する因子(CAF関連蛋白やmicro RNA等)に関しては,効率化及び費用の点からTMA の利用を予定している。
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