研究課題/領域番号 |
17K15642
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
齊郷 智恵美 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10547681)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | proximal ligation |
研究実績の概要 |
従来の免疫共沈方法では、細胞あるいは組織溶解物を利用しての2分子の相互作用、結合を検出することになるので、細胞においては、実際の細胞局在を反映せず、また組織では、標的あるいは測定したい細胞での相互作用であるかは、判明しない。本研究ではin situ proximity ligation assayを用いてこれらの点を明らかにできる細胞、組織での2分子間の相互作用検出を試みた。 本年度は具体的には、口腔内扁平上皮癌組織での、WWOXタンパク質、WWOX関連遺伝子産物と、PPPYモチーフをもつTMEM207との相互作用が、どのようなタイプの扁平上皮癌でみられるか、特にGLUT1過剰発現のグリコーゲンに富む扁平上皮癌で、これらのタンパク質が実際に結合、相互作用を起こしているのかを検討した。 その結果、予後の悪い口腔内扁平上皮癌症例で、GLUTが発現亢進した癌細胞で、proximity ligation assayの陽性シグナルを検出し報告した。 さらに、悪性軟部腫瘍での、キメラタンパク質を簡便に検出法を検討するために、滑膜肉腫を例にとり融合タンパク質、それぞれに対する抗体を用いた、また、それらの接合部分のペプチドを酵素処理後に認識する抗体を作成し、このキメラタンパク質が、どのように発がんに関連しているのかを検討した。引き続いて検討中であるが、キメラタンパク質とクロマチン再構成複合体との相互作用が示唆される結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
口腔内扁平上皮癌組織での、WWOXタンパク質、WWOX関連遺伝子産物と、PPPYモチーフをもつTMEM207との相互作用が、どのようなタイプの扁平上皮癌でみられるか、特にGLUT1過剰発現のグリコーゲンに富む扁平上皮癌で、これらのタンパク質が実際に結合、相互作用を起こしているのかを検討した。 その結果、予後の悪い口腔内扁平上皮癌症例で、GLUTが発現亢進した癌細胞で、proximity ligation assayの陽性シグナルを検出しIF 4.5を超える雑誌に成果を報告できた。
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今後の研究の推進方策 |
悪性軟部腫瘍での、キメラタンパク質を簡便に検出法を検討するために、滑膜肉腫を例にとり融合タンパク質、それぞれに対する抗体を用いた、また、それらの接合部分のペプチドを酵素処理後に認識する抗体を作成し、このキメラタンパク質が、どのように発がんに関連しているのかを検討した。引き続いて検討中であるが、キメラタンパク質とクロマチン再構成複合体との相互作用が示唆される結果を得たので、この結果を確認し、報告する。
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