研究課題
若手研究(B)
in situ Proximity Ligation Assayを用いて病理組織切片上での2分子の結合を可視化することを試みた。具体的には、軟部腫瘍での染色体転座による融合遺伝子産物の検出を、滑膜肉腫を例にとり検討し、また、口腔扁平上皮癌での腫瘍抑制因子WWOXを障害するTMEM207分子の結合を可視化する方法を開発、報告した。
病理学
滑膜肉腫で、SS18-SSX融合遺伝子産物の検出、可視化に成功した。これは染色体転座を有する腫瘍(悪性リンパ腫を含む)で通常ホルマリン固定病理切片で、融合遺伝子産物の特異的検出が可能になる道筋をつけたと考える。また、口腔内癌でWWOXとTMEM207の結合を検出しえたことで、悪性腫瘍細胞での腫瘍抑制因子機能を不活化する異常たんぱく質発現が病理組織切片で検出可能なことを示したと考える。