研究課題/領域番号 |
17K15644
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
松下 倫子 鳥取大学, 医学部, 助教 (70642198)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | エピゲノム / メルケル細胞癌 / メルケル細胞ポリオーマウイルス |
研究実績の概要 |
メルケル細胞癌(MCC)は高齢者に好発する予後不良の皮膚神経原性悪性腫瘍である。MCCの約8割にMerkel cell polyomavirus (MCPyV)の感染が認められMCCの発癌に寄与する。これまでに、MCPyVの有無による病態、予後の差異などを報告してきた。本課題研究の目的は、エピゲノムに着目し、MCCの病態の解明、治療標的因子の探索を行うことである。遺伝子発現、クロマチンの状態は、ヒストン修飾等のエピジェネティックな制御を受ける。転写抑制性のヒストン修飾であるH3K27me3に関して免疫染色を行ったところH3K27me3修飾は、MCPyV陰性例は陽性例に比べ有意な低下が認められた。また、合併扁平上皮癌のある陰性例は合併癌のない陰性例に比べ有意に低下していた。しかし、H3K27me3の修飾と予後に関連性は認められなかった。MCPyVや合併癌の有無でH3K27me3の修飾状態が異なることは、MCPyVの有無による遺伝子発現の差異の要因の一つになる可能性を示唆していると考えられる(論文作成中)。Notch経路に関して検索したところJAG1の高発現はMCPyV陽性MCCに比べ、MCPyV陰性MCCで有意に認められ、Notch3の高発現はMCPyV陽性MCCで有意に認められた。予後に関して、Notch1、Notch2の発現と予後との相関は見られなかったが、Notch3の高発現が予後良好(OS)の傾向を示した。Notch3とJAG1の発現はMCCにおいてtumorigenesisと関与している可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
転写抑制性のヒストン修飾であるH3K27me3がMCPyV陽性MCCとMCPyV陰性MCCにおいて修飾が異なることを見出し、Notch経路がMCCの発癌と関与する可能性を示唆した。
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今後の研究の推進方策 |
エピゲノムに着目し、引き続き実験の継続および、これまでに、論文にしていないデータおよび現在作成中の論文があるので、論文の完成を目標とする。
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