唾液腺癌の中でも高頻度で、長期予後不良な腺様嚢胞癌(AdCC)において、我々はMYC蛋白高発現症例が、MYB-NFIB融合遺伝子を有する症例と相関し、遠隔転移や腫瘍再発のリスク因子である可能性を提唱した。そのため、MYC蛋白高発現を示すAdCC症例に対し、FISH法でMYC遺伝子増幅の有無を検討したが、有意な相関は認めなかった。また我々は多施設共同研究として約200例のAdCCを蒐集した。これらを対象に次世代シーケンサー(NGS)による網羅的解析を行う前段階として、遺伝子異常の報告の多い唾液腺導管癌でNGSを行った。その結果、ERBB4、NPM1、TP53、RET等の遺伝子異常を認めた。
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