ゲムシタビン耐性株MIA-PaCa2-GEMでは、親株であるMIA-PaCa2に比較しMAST4発現が亢進していた。MAST4発現はヒト膵管癌において癌の進行、予後不良、および、ゲムシタビン耐性と相関していた。耐性株においてMAST4をノックダウンするとゲムシタビン耐性は消失した。MAST4は核内においてAKT3と相互作用を示し、AKT3活性化によりFoxO3などを介してゲムシタビン耐性を誘導すると考えられた。また、MAST4発現亢進はmiR582-5p発現抑制により誘導されると考えられた。MAST4は膵管癌における新規ゲムシタビン耐性遺伝子・予後不良因子であり、新規分子標的として期待される。
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