• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

皮膚メラノサイト系腫瘍の悪性度診断における細胞内脂肪滴の重要性について

研究課題

研究課題/領域番号 17K15650
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

藤本 正数  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (90573676)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード悪性黒色腫 / Adipophilin / mRNA ISH / Tissue microarray
研究実績の概要

和歌山医大で切除された皮膚悪性黒色腫の病理組織標本をレビューし、それらのパラフィンブロックから腫瘍の代表的な部分を専用のアレイヤーを使って抜き出し、tissue microarray (TMA) を作製した。そして、そのTMAを使って adipophilin (ADP)の免疫染色および既知の悪性黒色腫のマーカーとされる Ki67 などの免疫染色を施行した。次に、超高感度 mRNA-ISH を施行できる RNAscope のキットを購入し、ADP の mRNA-ISH を施行した。結果として、一部の悪性黒色腫でADPが mRNA レベルで高発現しており、その発現はADPの免疫染色結果と正の相関を示した事で、ADP の免疫染色結果が偽陽性でない事が裏付けされた。さらにADPの免疫染色結果は Ki67 index と正の相関を示した。また、転移巣で特に ADP の発現が高い傾向が見られた。良性色素性母斑では、ADPの発現は悪性黒色腫に比べて有意に低かった。悪性黒色腫の組織型別にはADPの発現に有意な差は認められなかった。免疫染色でのADPの発現は皮膚悪性黒色腫の患者予後と相関した。さらに、培養細胞を用いた実験で、メラノーマ細胞の増殖がグルコース濃度依存性で、増殖活性が高い細胞でADPが高発現している事が示された。
以上、皮膚悪性黒色腫でADPの発現が腫瘍の増殖および患者予後と相関する事が分かった。また、メラノーマ細胞の増殖とADPの発現はグルコース濃度依存性であり、腫瘍における Warburg effect がADPの発現亢進の理由である事が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1)悪性黒色腫のパラフィンブロックから、tissue microarray を作製した。
2)RNAscope を用いて、adipophilin (ADP) の mRNA-ISH が成功した。
3)免疫染色およびRNA-ISHの実施およびその評価を行った。
4)ADPの免疫染色結果はADPのmRNA-ISHおよびKi67の結果と相関した。
5)ADPの免疫染色結果は腫瘍のステージや患者予後と相関した。
6)悪性黒色腫の培養細胞では、特に増殖活性の高いものでADPが高発現している事が分かった。

今後の研究の推進方策

1)今までの研究データをまとめ、必要に応じて補足し、論文作製する。
2)研究結果を国際会議で発表する。

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi