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2018 年度 実施状況報告書

肺腺癌の発癌進展における癌間質相互作用の網羅的解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K15652
研究機関自治医科大学

研究代表者

吉本 多一郎  自治医科大学, 医学部, 講師 (20634166)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード癌間質相互作用 / 上皮間葉転換 / インターラクトーム
研究実績の概要

これまで当研究室では肺腺癌細胞株40株を上皮型と間葉型に大別し、研究を進めてきた。本研究ではまず、これらの細胞株11株(上皮型9株、間葉型2株)からNOD/SCIDマウスを用いたXenograft modelを作成した。その結果、上皮型細胞株から作成したXenograftは、組織学的にマウスの間質を豊富に誘導し乳頭状~腺管状の腫瘍を形成したのに対し、間葉型細胞株から作成したXenograftは組織学的に間質に乏しい髄様な腫瘍を形成することが分かった。この結果は上皮型と間葉型で癌間質相互作用が全く異なる事を示唆している。また、ヒトとマウスという異種間においても癌間質相互作用が働くことが示唆している。
さらに解析を進めるため、これらのXenograftがヒト由来の癌細胞とマウス由来の間質組織という異種間であることを利用し、簡便なトランスクリプトーム解析を開発しこれにより、癌間質反応の網羅的定量解析が可能になった。
この網羅的定量解析を行った結果、上皮型と間葉型で癌間質反応が異なると考えられた複数のリガンド/レセプターペアについて、抗体を購入し、Xenograft modelの組織切片を用いて免疫染色を行いそれらの発現を評価した。
その結果、網羅的定量解析の結果と概ね相関した発現を示すものと、そうでないものがみられた。これは免疫染色結果の評価がやや困難な抗体があることや、異種間での抗原抗体反応の違いなどが原因として考えられる。それらの問題を解決するため、免疫染色の条件調整や、その他のリガンド/レセプターペアの検討などを現在行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

上記の通り、免疫染色の定量評価の段階でやや手間取っているため。

今後の研究の推進方策

より多くのリガンド/レセプターペアについて抗体を増やすことが一つの対策として考えられる。また、癌悪性化などに関わる既報のリガンド/レセプターペアの免疫染色をコントロールとして行い、参考とする手法も考えられる。

次年度使用額が生じた理由

研究計画が当初より遅れており、購入予定数よりも抗体等の支出が少ない為。次年度は主に抗体を中心とした物品購入に使用する予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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