研究課題
若手研究(B)
顆粒球肉腫は急性骨髄性白血病の白血病細胞が末梢血に白血化せずに骨髄外に腫瘤を形成する特殊な病型であるが、髄外腫瘤を形成しない一般的な急性骨髄性白血病と比較して予後不良であることが示唆されている。申請者らは多数の顆粒球肉腫(Myeloid sarcoma:MS)症例の臨床病態・病理組織・免疫表現型・細胞遺伝学的異常・予後因子についての解析・検討をおこなうことによってCXCR4シグナル経路やCCR7シグナル経路が治療反応性に関与したり、髄外腫瘤形成に関わる可能性がわかった。
造血器腫瘍
顆粒球肉腫形成は急性骨髄性白血病の予後にも影響し、白血病細胞の髄外腫瘤形成の生物学的な機序を解明することで、治療標的の発見による予後改善を期待でき、さらに急性骨髄性白血病や骨髄異形成症候群への新規治療標的の発見につながる可能性が考えられる。また、これらの発見がその他の造血器腫瘍の髄外腫瘤形成にも関わる可能性があり、これらをさらに研究することで治療法の開発につながり学術的・社会的意義の高いものとなると考えられる。