エピジェネティックな異常が腫瘍形成に重要な役割を果たすにも関わらず、癌細胞中のDNAメチル化異常は数多く、その中から真のドライバー異常を見出すのは難しい。膵癌形成に重要な役割を果たすDNAメチル化異常を見出すため、DNAメチル化阻害剤、MeTA法の2つの方法で共通にIRX4が同定された。IRX4の遺伝子座5p15.33は、これまで報告されてきた膵癌感受性遺伝子座に一致する。本研究によりIRX4の膵癌における高度メチル化、低発現、IRX4発現の膵癌細胞に与える影響、その原因となるIRX4下流遺伝子群が明らかになった。これらの知見は、膵癌の診断、治療戦略を考える上で、貴重な情報となる可能性が高い。
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