マウスの皮膚をモデルとして用い、環境因子、特に肥満がどのように皮膚の恒常性維持に影響を与えるかを調べた。マウスの毛包はヒトと同じく加齢によりその数が減少するが、肥満状態で毛周期が回ればより早く毛包の減少が誘発されることがわかった。直接艇には毛包幹細胞が表皮ケラチノサイトへと細胞運命を転換することが減少の原因となることがわかった。内的因子の変化としては、肥満環境ではIL1Rシグナルの活性化や脂質の蓄積が毛包幹細胞内で生じ、これが原因となり毛包幹細胞の維持に必須のSHHシグナルが活性化されなくなる。本研究では肥満という全身性の変化から脱毛に至るプロセスの全容が明らかになった。
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