がん細胞の多くは代謝を解糖系優位にリプログラミングし劣悪な環境にも対応できるために、抗がん剤の作用にも耐性を発揮する。グルコース類似体の2-デオキシグルコース(2DG)は解糖系を阻害しがん細胞の増殖を抑制するのに加え、抗がん剤など薬剤の作用を増強する。本研究では、膵がん細胞に対するシスプラチンまたはメトホルミンの作用を2DGが相乗的に増強することを見出した。また、2DGと同時にある種の代謝物を投与することで、2DGの細胞への作用が抑制されることを認めた。今後2DGの作用がより理解されることでがん治療がさらに進展することが期待される。
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