トキソプラズマ原虫は、免疫不全患者に脳炎を始めとする後天性トキソプラズマ症を引き起こす。本研究では、トキソプラズマ脳炎におけるアダプター分子TRAF6のアストロサイトでの役割を明らかにするため、アストロサイトでTRAF6が欠損したマウスにトキソプラズマを感染させたが、死亡率や、脳内の虫体数が野生型と変化が認められなかった。一方で、樹状細胞特異的TRAF6欠損(CKO)マウスでは感染後11日目に全例が死亡した。その原因として、CKOマウスではトキソプラズマ感染に伴うIFN-γの上昇が遅延し感染直後のIFN-γ濃度が不十分で、虫体がマウス組織の許容範囲以上に増加することが示唆された。
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