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2018 年度 実績報告書

GWASを用いた腸管出血性大腸菌の志賀毒素産生調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K15686
研究機関九州大学

研究代表者

佐藤 光彦  九州大学, 医学研究院, 学術研究員 (30783013)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード腸管出血性大腸菌 / GWAS / 志賀毒素 / O121 / 細菌 / ゲノム
研究実績の概要

出血性大腸炎だけでなく溶血性尿素毒素症症候群(HUS)、脳症など重篤な合併症を引き起こす腸管出血性大腸菌(EHEC)の血清型の一つであるO121において、GWASを用いてファージ上に位置する志賀毒素の産生量を制御する領域を染色体ゲノムから検出し、重篤な症状を引き起こすポテンシャルとなるような要因を推定することを試みた。昨年度のStx2産生量の測定で多様であることが示された表現型に対して、昨年度構築した、表現型と相関のあるk-merを検出するGWASパイプラインを用いた。幅広い遺伝子を探索しつつ偽陽性を排除するため複数の閾値で試したところ、もっとも厳しい基準では47のk-merが得られた。検出されたk-merすべてに対してアノテーションを行い、それらの機能を推定した。しかしながら、それらのk-merをもつ遺伝子は外来性因子などであり、Stx2産生量の制御に関わる染色体ゲノムには当てはまらないものであった。次に厳しい基準ではStx2産生量と相関のあったk-merは242検出された。これらのk-merがもつ遺伝子の機能を調べたところ、同様に外来性因子がほとんどであり、特にファージを構成する遺伝子が多く含まれていた。現在のデータセットとパイプラインでは、染色体ゲノムからはStx2産生量を制御する領域を見つけることはできなかったが、一方でStx2の産生量にStx2ファージ以外のファージが関わっている可能性が示唆された。今後は、サンプル数を増やすことでより精度の高いGWASを行っていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Serratia marcescenceの大規模比較ゲノム解析2019

    • 著者名/発表者名
      小野友行、佐藤光彦、中村佳司、後藤恭宏、西田梨留子、井口純、後藤直正、伊藤武彦、小椋義俊, 林哲也
    • 学会等名
      第92回細菌学会総会
  • [学会発表] Stx2を産生するCryptic Escherichia clade Iの潜在的病原性の解明2019

    • 著者名/発表者名
      有水遥子、勢戸和子、磯部順子、桐野有美、佐藤光彦、中村佳司、後藤恭宏、林哲也、小椋義俊
    • 学会等名
      第92回細菌学会総会
  • [学会発表] Serratia marcescenceの多様性:ゲノム配列に基づいた大規模かつ高精度な系統解析2018

    • 著者名/発表者名
      小野友行、佐藤光彦、中村佳司、後藤恭宏、西田梨留子、井口純、後藤直正、伊藤武彦、小椋義俊, 林哲也
    • 学会等名
      第71回細菌学会九州支部総会

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公開日: 2019-12-27  

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