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2018 年度 実施状況報告書

イソニアジド耐性に係る結核菌由来katG遺伝子上変異の解析及び結晶構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K15695
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

金 玄  国立感染症研究所, 細菌第二部, 主任研究官 (90648817)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード結核菌 / イソニアジド耐性 / KatG / 立体構造解析
研究実績の概要

本研究では遺伝子変異検出に基づいた迅速なイソニアジド感受性試験を可能とするためにイソニアジド耐性結核菌におけるkatG遺伝子上の変異とイソニアジド耐 性獲得機構との関連について明らかにすること、並びにイソニアジドの構造を最適化することによって耐性菌が出現しにくい新規抗結核薬の開発を行うことを目 的としている。
平成30年度は以下に示す2つの研究を行った。
1) 結核菌由来野生型及び変異型KatGにおけるイソニアジド耐性への検討をUV-vis spectrometer(260nm)やHPLC方法を用いて確認した。その結果、活性化されたイソニアジドの量及び減少したNAD+の量を確認し、新たに見つけられた変異型KatGについてイソニアジド耐性に関与していることが明らかになった。
2) そして、KatG蛋白質によって活性化されたイソニアジドはNAD+とイソニアジドが合成され、イソニコチン酸アシル-NAD(H)複合体になることで、これはLC-mass spectrometry方法を用いて確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度の研究実施計画通り、順調に進めている。

今後の研究の推進方策

令和1年度は以下に示す2つの研究を進める。
1) 今までの研究成果の収集を行い、国際英語雑誌に投稿するため、論文化の準備を進める。
2) 結核菌由来、変異型KatGの結晶構造解析。イソニアジド耐性獲得機構について詳細に解析を行うため、変異型KatGのX線結晶構造解析を行う。実際に結核菌由来野性型KatGの立体構造は2004年にイギリスのグループから報告された(J.Biol.Chem.2004.279(37):38991-9)が、結核菌由来KatGとイソニアジドとの結合様式についてはまだ明らかにされていない。そこで、平成29-30年度で作製した変異型KatGについて、市販のキットを用いて結晶化条件のスクリーニングを行う並びにイソ二アジトが入った共結晶化条件も検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

学会の参加費と旅費の申請が遅くなっただめ残った残額の一部は使用された。

次年度研究費は、平成30年度に少し余った残額と合わせて蛋白質実験に必要な一般試薬および消耗品、結晶化のために必要な試薬類の購入に使用する。さらに、 回折データ取得実験のための放射光科学研究施設への旅費に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Functional analysis of M. leprae DNA gyrase and its role in bacterial growth and survival2019

    • 著者名/発表者名
      Hyun Kim, Yasuo Fukutomi, Chie Nakajima, Youn Uck Kim, Shigetarou Mori, Keigo Shibayama, Naboru Nakata, Yasuhiko Suzuki
    • 学会等名
      第92回日本細菌学会・総会
  • [学会発表] Transcriptomic change by knockout of genes involving DNA modifications in Helicobacter cineadi2019

    • 著者名/発表者名
      Emiko Rimbara, Atsushi Toyoda, Shigetarou Mori, Hyun Kim, Keigo Shibayama
    • 学会等名
      第92回日本細菌学会・総会

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公開日: 2019-12-27  

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