炎症性および抑制性マクロファージへの分化にはmTORシグナルを介した適切な細胞内代謝の活性化が必要であるが,その詳細な機構は解明されていない.本研究では、mTORーSema6DーPPARγのシグナルが抑制性マクロファージ(M2)への分化に必須であることを明らかにした.mTORの阻害あるいはSema6D遺伝子欠損によって,PPARγの発現が低下し,脂肪酸の取り込みおよびβ酸化が低下した.また,c-AblとSema6D細胞内領域との相互作用がPPARγの発現に必要であった.さらに,Sema6D欠損マクロファージは腫瘍マクロファージ (TAM)への分化が顕著に抑制された。
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