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2018 年度 実績報告書

ウイルス感染時にカギを握る新規遺伝子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 17K15724
研究機関琉球大学

研究代表者

國吉 佳奈子  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70747881)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード自然免疫 / ウイルス感染 / ユビキチン / 炎症性サイトカイン
研究実績の概要

自然免疫は、病原体感染の初期認識および迅速な炎症反応の惹起を担っている。 特に、ウイルス感染初期の自然免疫応答としてのI型インターフェロン産生はウイルスの排除に重要である。本研究では、ウイルス感染後に重要な役割を果たす新規自然免疫制御因子として同定されたMex3cの生理的機能を解析し、新しい抗ウイルス自然免疫制御機構と、さらには本分子がB細胞分化機構に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
MEX3CはE3リガーゼであり、翻訳後修飾であるユビキチン修飾を介してシグナル伝達経路を制御する。MEX3C欠損マウス由来の細胞ではRIG-I依存の炎症性サイトカイン誘導が著しく損なわれたことから、ウイルスRNAを認識する受容体RIG-IのK63型ユビキチン化を介してその活性化を促進すること、さらにRNAウイルス感染細胞においてRIG-IおよびウイルスRNAと共にストレス顆粒に局在することが明らかになった。さらにMEX3CによるRIG-Iのリシン残基K63結合型ユビキチン化を行うこと、さらにこの修飾はこれまでに知られているRIG-IのE3ユビキチンリガーゼでは見られなかった現象であった。またMEX3CノックアウトB細胞の遺伝子発現変化をマイクロアレイにて解析したところ、野生型と比較し発現が大きく異なる遺伝子がみられた。
これらの成果は、分子メカニズムが未だに分かっていないRIG-Iの活性化機構の解明の一助となるものであり、さらなる解析はRIG-IとMDA5がどのようにRNAウイルスの識別を行うのかという疑問に対する答えを導く可能性がある。また今後は、Mex3cの存在下で発現が変動する遺伝子に関する機能解析を行い、新たな自然免疫機構やその病態生理的意義の解明につなげていきたい。

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公開日: 2019-12-27  

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