研究課題/領域番号 |
17K15725
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
熊谷 雄太郎 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (00528408)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 抗ウイルス免疫応答 / I型インターフェロン / 細胞間接触 |
研究実績の概要 |
我々はI型IFN産生をGFPの蛍光によってモニタリングできるマウスを利用しI型IFN発現の顕微鏡下において経時的に追跡する研究を行う途上において、樹状細胞が細胞間接触依存的にI型IFNを産生する新規のシグナル伝達経路が存在することを示した。本研究は細胞間接触による相互作用を実現するシグナル伝達機構とそれを媒介する分子機構を同定し、同定された分子による抗ウイルス応答の誘導法の探索を行うことを目的としている。 上記現象は野生型樹状細胞とI型IFN受容体(IFNR)欠損樹状細胞を混合して観測するが、IFNR欠損細胞の代わりにRIG-I-like receptor (RLR)のアダプター分子であるIPS-1欠損細胞を用いたところIFNの産生は見られなかった。これはRLRによるウイルス認識機構が必須であることを示している。また、野生型樹状細胞のかわりに種々のシグナル伝達分子欠損細胞を用いることで、細胞間接触シグナル伝達経路に必須の分子を同定することができた。さらに、当該シグナル伝達経路によって誘導される遺伝子発現を調べるために、混合培養した野生型樹状細胞とIFNR欠損樹状細胞をソーティングしRNA-seqに供し、網羅的な遺伝子発現時系列データを取得した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたように当該細胞間接触依存シグナル伝達に必須の因子やその下流遺伝子発現の特徴づけを行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
取得したデータを用い細胞間接触依存シグナル伝達経路を司る分子機構を同定する。また、当該シグナル伝達経路がin vivoにおいて果たす役割をIfna6gfpマウスを使用して調べる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
マウス飼育に関わる費用において差額が生じた
|