申請者はHER2/HER3ヘテロ二量体を、独自に開発した蛍光ナノ粒子間のFRET現象を利用する技術によって検出できることを見出した。さらにこの物理現象が正しくダイマーを検出しているのかを明確にするため、蛍光粒子間距離をコントロールしたサンプルを用いて、エネルギー移動の効率について検討を行い、概ねダイマーを形成した場合にのみエネルギー移動が起きていることを証明した。ただし、蛍光のドナーとなる粒子とアクセプターとなる粒子が1対1で対応していない輝点や、ダイマーを形成せずに近傍に存在するだけの粒子が一部検出されたため、これらを統計的に除いて評価する方法を引き続き検討する必要がある。
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