甲状腺転写因子TTF-1発現が消失して本来の甲状腺細胞機能を失った甲状腺乳頭癌培養細胞に、アデノウイルスベクターを用いてTTF-1遺伝子を導入した結果、アポトーシスとネクローシスを介して癌細胞死が誘導されることが示された。 またPCR解析において、TTF-1導入後にRGS5およびRGS4遺伝子の発現が著増した。RGSはGタンパクを介して細胞内シグナル伝達を調節する。このうちRGS4の発現を抑制すると、TTF-1導入による細胞死、アポトーシスおよびネクローシスの誘導効果は減弱した。TTF-1再発現による甲状腺癌細胞死誘導にはRGS4が関与する機序が存在することが示された。
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