遺伝性血管性浮腫は5万人に1人の有病率とされているが、実際に診断されている患者は極めて少ない。このため、診断されずに適切な治療を受けることなく、窒息死に至ることや腹痛に対して不要な開腹術を施行されることがある。診断自体は比較的容易になされるにも関わらず、疾患認知度が低いことが影響していると考えられている。しかし、今回の研究成果によって他疾患との鑑別がより容易かつ正確になされるため、今後は遺伝性血管性浮腫がより的確かつ迅速に診断されることが予想できる。また、これに伴い患者QOLの低下を予防することが可能と考えられ、学術的・社会的意義は大きいと考えられる。
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