消化管粘膜にはおよそ100 兆個もの腸内細菌が極めて高密度で生息し,腸内細菌叢を形成している。腸内細菌叢は、粘膜関連リンパ組織(MALT)を成熟させ、分泌型IgA 抗体産生を促す他,免疫司令塔であるT 細胞を制御するなど、免疫システムの構築に貢献している。腸内細菌叢はIgANを含めた慢性腎臓病の発症・進展に深い関わりを持っていると推察されるが、慢性腎臓病患者の腸内細菌叢を解析した報告は、我々の知る限りなされていない。 我々の研究は慢性腎臓病患者の腸内細菌叢を16S rRNA 遺伝子解析により明らかにした上で免疫学的な解析を加えたのち、発症・進展の機序に迫るものである。
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