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2017 年度 実施状況報告書

コンプトンカメラを用いた体内Y-90の3次元イメージング

研究課題

研究課題/領域番号 17K15798
研究機関群馬大学

研究代表者

酒井 真理  群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70727338)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードコンプトンカメラ / イットリウム / Y-90 / イブリツモマブ チウキセタン
研究実績の概要

Y-90は純β核種であり、様々な腫瘍の治療に用いられている。Y-90の体内動態を直接可視化することができれば、患者毎の治療効果の予測に役立つ。また事前薬の投与が不要となることから、医療費の大幅な軽減にもつながると考えられる。
本年度は自動回転台及び1軸ガイドレールを用いた3次元測定実験系の構築を行った。その結果、FOV(コンプトンカメラ最前面の検出器から回転軸までの距離)が250~450 mm、回転軸の中心精度が~1 mmの実験系を作成することができた。この実験体形を用いたモンテカルロ・シミュレーションを行い、回転ステップと画質についての検討を行うことで、星状アーチファクトを軽減するために必要な角度を算出した。3次元画像再構成手法として、Y-90イメージング用ML-EM(maximum likelihood- expectation maximization:ML-EM)法を実装した画像再構成プログラムを作成した。これらの結果を用いて、点線源での3次元測定を行ったところ、3次元画像再構成することができた。さらに大型の水槽と小球を用いたY-90線源のファントム測定を行った結果、Y-90を封入した小球の位置がホットスポットして描出することに成功した。この結果から分解能が100 mm以下であることが確認できた。続いて3Dプリンタを用いて今後の測定に用いるファントムを試作した。頭部MRIデータを用いて脳の3次元データを作成し、内部を空洞にする処理をしたうえで、3Dプリンタで出力した。その結果、水漏れが無く、十分な強度と精度を持ったファントムを作成できることが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

イベントセレクションの改善を目的として、ニューラルネットワークを用いた機械学習を実施した。学習環境の構築や必要なデータセットの作成を行うことができたものの、学習結果が当初の想定ほどイベントセレクション精度の向上をもたらせていない。ネットワークの検討や入力データの検討などが必要と考えられる。一方、3次元実験体系の構築やその評価手法の確立、再校正プログラムの速度向上などが行えており、成果を上げている。

今後の研究の推進方策

イベントセレクションについてさらなる検討を行い、ノイズイベントの低減を進める必要が有る。これまでに機械学習の専門家から助言をいただき、入力データと評価関数の改善により結果を改善できる可能性が有ると考えている。3次元イメージングによる性能評価ではより臨床に近いファントムが必要となる。本年度は詩作のため1/2スケールで出力を行ったが、実寸大でのファントム作成を行う必要が有り、また薬剤注入口の位置や形状についても検討を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

申請額より交付額が減額されており、一部のファントム試作を取りやめた。また本学の理工学府にて高性能3Dプリンタが導入されたため、ファントムの試作費用を抑制でき、その分の経費がやや軽減された。一方で次年度のファントム制作では改造の必要な箇所が当初見込みより増えていることから、繰越金分を充当する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Yttrium-90 (β-emitter) imaging using Compton camera2017

    • 著者名/発表者名
      Makoto Sakai, Raj Kumar Parajuli, and Wataru Kada
    • 学会等名
      GUMI 2017
    • 国際学会
  • [学会発表] Impact of number of views on cross-sectional Compton imaging2017

    • 著者名/発表者名
      Makoto Sakai, Raj Kumar Parajuli, Mikiko Kikuchi, Kazuo Arakawa, Mitsutaka Yamaguchi, Yuto Nagao, Naoki Kawachi, and Takashi Nakano
    • 学会等名
      JKMP 2017
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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