研究課題/領域番号 |
17K15803
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
上原 和之 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (80582006)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 画像誘導放射線治療 |
研究実績の概要 |
画像誘導放射線治療と6軸補正による照合方法では患者体位の捻じれの補正は困難であり、体表面へのマーキングとレーザーシステムによる照合や主に被ばくを伴うX線画像によって得られた情報を基に補正が行われている。またその補正方法として高速かつ高精度なシステムとして確立したものはない。本研究の目的は現行の画像誘導放射線治療と6軸補正による照合方法では解消できない残余誤差を高速かつ高精度に最小化するためのフレキシブルな位置照合システムの開発である。開発要素は体軸の回旋・進展状態と残余誤差の評価システム、およびフレキシブルな患者体位の補正システムである。平成29年度は胸腹部領域の20症例を対象として放射線治療装置に付属するコーンビームCT(CBCT)で得られた治療直前のCT画像と治療計画時のCT画像から位置照合の残余誤差について解析した。また椎体を指標とした体軸の捻じれ(回旋・進展)の状態と、放射線の照射領域内での残余誤差を評価した。次年度はこれらの誤差が線量分布に及ぼす影響を評価予定である。臨床現場ではCBCTを撮影する前に1回から複数回の2方向X線画像を基に体位を補正しており、本研究ではこの照合過程の短縮、簡略化も目的に含まれているため、この照合過程についてもデータを収集して今後解析に加える。また体位補正システムの開発要素のひとつとして、デプスカメラによる体表面モニタリング機能についても開発中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画で使用予定であったデプスカメラが製造終了により今後入手困難となるため、新型の別製品を使用する方針に切り替えた。カメラの基本性能の向上による精度改善が見込まれるが、開発言語が異なるために計画に遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
前項の通り、開発要素の仕様変更による遅れはあるが研究の進行過程は当初の計画通りであり、次年度は臨床症例でのRSEの評価、フレキシブルな患者体位補正機能を有した固定器具の試作を実施する。現時点で研究計画の修正は予定していない。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用するデプスカメラを変更したことに伴う減額が発生した。また今年度は研究成果報告のための学会参加ができなかったため、次年度使用額が生じている。次年度消費額は学会での成果報告のために使用する。
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