研究課題/領域番号 |
17K15810
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研究機関 | 京都医療科学大学 |
研究代表者 |
霜村 康平 京都医療科学大学, 医療科学部, 助教 (10638274)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 骨物質含有量 / transXend検出器 / イメージングプレート / エネルギー特性 / Dual energy subtraction |
研究実績の概要 |
X線撮影におけるDual energy subtraction(DES)法は、骨構造を画像より除去した軟部組織画像を作成することで肺野内微小病変の検出能の向上だけでなく、読影時間の短縮にも有効である。しかし、従来の胸部X線撮影と比較して、被ばく線量もしくはモーションアーティファクトによる影響を増加させる欠点がある。 本研究は、DES法の欠点を解消するため、transXend検出器の原理を用いて、骨物質の含有量を定量することで骨構造を抽出し、骨画像および軟部組織画像を取得するための研究開発をしている。 平成29年度は、基礎データの取得と骨物質の含有量の算出に重点をおき、transXend検出器の原理を用いるために必要な以下4項目を実施した。①診断用X線撮影装置のエネルギースペクトルの測定、②transXend検出器として利用するイメージングプレートのエネルギー特性のモンテカルロシミュレーションによる算出、③骨物質の含有量の検出方法の確立、④骨構造の抽出および骨構造除去プログラムの開発。結果として、イメージングプレートから得られた画像の濃淡(画素値)より、骨物質の含有量を10%以下の誤差で算出ができ、これにより骨画像および軟部組織画像の作成が可能となった。しかし、イメージングプレートへ入射した被写体からの散乱線が骨物質の含有量の算出精度を低下させる原因となっており、さらなる骨物質の含有量の精度向上と鮮明な軟部組織画像作成において散乱線の除去の必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、DES法の欠点を解消するため、transXend検出器の原理を用いて、骨物質の含有量を定量することで骨構造を抽出し、骨画像および軟部組織画像を取得するための研究開発をしている。しかし、被写体からの散乱線がイメージングプレートに入射することで、骨物質の含有量の算出精度が低下し、鮮明な骨除去画像の取得を妨げているため、散乱線除去の工程を当初予定より追加する必要となったため。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、下記について実施する。 ①イメージングプレートに入射する被写体からの散乱線量を定量および除去し、骨物質含有量の算出精度を向上させ、鮮明な軟部組織画像の取得。 ②transXend検出器による軟部組織画像の有用性の検証。 ③腎結石の検出方法と検出能の評価。
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次年度使用額が生じた理由 |
散乱線除去が必要となったため、平成29年度予定していた人体等価ファントムの購入を平成30年度に変更し、散乱線除去法を確立するための実験に使用する。
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