本研究は、体内の位置によって変化する陽子線の生物学的効果を考慮した有害事象発生予測の実現を目指す。そのため、生物線量計算システムの開発および線量情報と診療情報のレトロスペクティブ解析を行い、正常組織別の有害事象発生確率モデルのパラメータを決定することを目的とした。本研究により、細胞実験結果に基づく陽子線の生物学的効果を考慮した線量計算および有害事象発生予測が可能なシステムが構築できた。計算精度検証結果から、RBE計算精度向上のためのモデリングや種々の細胞実験の必要性が示唆された。今後も継続してシステムの計算精度及びデータベースの更新を行い正常組織別のNTCPモデルパラメータを決定する。
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