研究課題/領域番号 |
17K15832
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
細野 晃弘 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (00723454)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | absenteeism / presenteeism / コホート研究 |
研究実績の概要 |
職場における精神疾患のもたらす社会的損失は主としてabsenteeism(病欠)ではなく,presenteeism(病気出勤)によるものである.本研究では,ある一つの事業所の従業員を対象にして,メンタルヘルスの不調に伴うabsenteeismとpresenteeismをアウトカムとし,その発生に関与すると思われる要因を経時的・網羅的に調べることにより,absenteeismとpresenteeismの発生メカニズムの全体像を明らかにすることを目的とする.本研究では,大規模コホート研究であるGenomic Cohort focused on Psychosocial traits (GCOP) Studyの一部として,2017年度に約1000人についてベースライン調査を終え,大規模な質問紙データと健診データを得た.2018年度には,同じ研究参加者に対し,アウトカムのabsenteeismとpresenteeismに影響を与えうる曝露要因について自記式質問紙を用いて追跡調査を行っており,2019年度も,同じ研究参加者に対し,前年度とほぼ同じ自記式質問紙を用いて追跡調査を行った.研究参加者は正社員が中心であり,脱落者数は非常に少なく,回答漏れなどに起因するデータの欠測も比較的少なかった.質問紙の回答をOCRを用いて表データ形式にまとめた後,今後のデータ解析に備えて,データクリーニングを行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
従業員数約2000人規模の事業所で,約1000人に対し,2017年度にベースライン調査を終え,2018年度に第2回の追跡調査を,2019年度に第3回の追跡調査を予定通り終えた.2018年度の調査では,2017年度と同じく,抑うつ・不安をK6,睡眠障害を Insomnia Severity Index(ISI),パワーハラスメントをNegative Acts Questionnaire-Revised (NAQ-R),アルコール依存性をAlcohol Use Disorders Identification Test-Consumption (AUDIT-C),ニコチン依存性をHeaviness of Smoking Index (HSI) ,presenteeismとabsenteeismをWorld Health Organization Health and Work Performance Questionnaire (HPQ)を用いて測定した.
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今後の研究の推進方策 |
予定通り,これまでと同じ被験者に対し,自記式質問紙を用いた第3回目の追跡調査を2020年度に行う.第3回目の追跡調査を終えた後,データ解析によりアウトカムであるabsenteeismとpresenteeismに影響を与えうる要因を経時的・網羅的に調べる.
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次年度使用額が生じた理由 |
自記式質問紙を用いた調査に要する費用が予想外に低かったため.
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