計5回の経時測定データを用いて,presenteeismの指標として労働生産性を目的変数とし,先行研究から労働生産性に影響を与えることがわかっている各種要因を説明変数とする線形混合効果モデルを用いた解析を行った.その結果,説明変数のいくつかが単変量解析で有意性を示したが,多変量解析では抑うつ・不安とニコチン依存性を除きすべての有意性が消失した.そして,最終的に,各変数間の因果関係として,職場のいじめが抑うつ・不安を介して労働生産性に影響を及ぼすことを媒介分析用いて確かめることができた.本研究によって,労働生産性の観点から,職場のいじめの果たす役割の大きさを明らかにすることができた.
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