研究成果の概要 |
本研究は高齢者介護施設で確立された方法論(Morimoto, 2004)にて、全介護記録の網羅的レビューにより行われた。調査の結果、459人(3315人月)に対し、1207件の薬剤性有害事象(ADE)と600件の薬剤関連エラー(ME)が同定され(100人月あたり36.4件と18.1件)、ADEでは転倒が最も多く(40%)、ADEの原因薬剤では非定型抗精神病薬が最も多かった(16%)。重症度では「致命的」「生命を脅かす」「重篤」の順に0.8%,2.3%,12%の頻度で、MEは観察段階で最も多かった(72%)。ADEとMEの発生率は米国の発生率(Gurwitz, 2005)の約3~4倍であった。
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