研究実績の概要 |
本研究の対象者は、研究代表者が参画している先端医療振興財団が行っている神戸市一般住民を対象とした神戸研究の都市部住民コホート研究参加者1134人である。平成22~23年度に市の広報など公募情報提供および地域自治会の協力により研究参加者を募り、ベースライン調査を実施した。以後、平成22年度参加者は平成24年度に、平成23年度の参加者は平成25年度にというように2年おきに追跡調査を継続しているが、2020年度は新型コロナウイルスの影響により追跡調査が11月・12月の2回しか施行することが出来ず、またいずれの2回も新型コロナウイルス対策のため感染・重症化のリスクが高い75歳以上については2020年度実施分では来所による調査対象から除外したため、軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment:MCI)のスクリーニングを目的としたThe Montreal Cognitive Assessment (MoCA)を実施することはできなかった。 また、関連研究として、神戸研究のデータを基にして都市住民における非特異的ストレス指標K6の悪化予測因子の探索に関する研究(田谷、杉山他、2020年)やMCIを始めとした認知機能に影響を与えると考えられている飲酒について、量・頻度が多い地域である鹿児島県与論町において、大量飲酒者の減酒を目的に世界的に普及が進められている簡易介入(Brief Intervention, BI)を実際の保健事業と同様に非ランダム化割付で実施した研究において、BIが飲酒状況の改善に対して一定の効果がある事を明らかにした(Sakurai J, Sugiyama D, Ito M, Maesato H, 2021, in press)。
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