研究課題
本研究の対象者は、研究代表者が参画している先端医療振興財団が行っている神戸市一般住民を対象とした神戸研究の都市部住民コホート研究参加者1134人である。2010~2011年度に市の広報など公募情報提供や地域自治会の協力により研究参加者を募り、ベースライン調査を実施した。以後、2010年度参加者は2012年度に、2011年度の参加者は2013年度にというように2年おきに追跡調査を継続していたが、2021年度は新型コロナウイルスの影響により追跡調査が行う事ができず、2022年度も感染対策の観点で規模を縮小して実施せざるを得なかった。そこで2020年度までにMoCA(Montreal Cognitive Assessment)を行った227名(男性100名・女性127名、MoCA実施時の平均年齢±標準偏: 78.8±1.6歳、ベースライン調査時からのMoCA実施までの平均期間±標準偏差: 7.2±1.3年)に対して、2010~2011年度に実施したベースライン検査時の臨床検査値・問診との比較を行った。結果、ベースライン検査時のHbA1c(NGSP値)と学歴で補正したMoCAの値には線形重回帰分析にて有意ではないものの負の関連が見られ(偏回帰係数±標準誤差: -0.84±0.52, p=0.10、性・MoCA実施時年齢・ベースライン調査時からの期間で調整)、糖代謝と比較的短期的将来の認知機能との関連を示唆した。謝を反映するHbA1cが有用である可能性を示す結果と考えられた。また、今回検討した227名のMoCA(学歴補正値)の分布は、平均±標準偏差: 24.4±3.2、中央値[25%値, 75%値] : 25 [23,27]となっており、軽度認知障害に対するMoCAのカットオフ値として推奨されている26点未満を用いると、約半数の134名が軽度認知障害と判定される結果となった。
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Endocr J.
巻: 70 ページ: 97-106
10.1507/endocrj.EJ22-0218.
日本公衆衛生雑誌
巻: Online ahead of print ページ: -
10.11236/jph.22-062