過去のヒトを対象とした横断的研究により、サルコペニアを呈する者では、神経筋シナプスの形態変化を反映する血中アグリン分解産物(C-terminal agrin fragment: CAF)濃度が高値であると報告された。本研究は、骨粗鬆症予防のためのコホート研究(JPOS研究)の副次的研究として、平成23年度に採取された凍結血清検体を用いてCAF濃度を測定した。横断的な解析では、先行研究と同様、血中CAF濃度が年齢とは独立してサルコペニアと関連した。一方、平成27~29年度時点でのサルコペニア新規発症との関連を前向きに検討したところ、関連の傾向は認めたものの、統計的に有意には至らなかった。統計学的検出力が不足しており、より大きな規模での検討が必要と考えられた。
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