・最終年度については、 1. パイロット研究を完了した。セラピストによる介入およびメール等によるサポートが問題なく行えることが確かめられた。質的インタビューにより、主に、デザインや色合い、毎週学習する分量、個別化されたメッセージ等に関する示唆が得られた。 2. 無作為化比較試験の参加者募集を開始した。親しみやすいイラストを使用したポスター風のチラシを作成して産後1ヶ月検診で配布し、参加率の向上に努めた。 3. 一時的にアプリの不具合があり、リクルートが止まってしまったこと、さらに、2020年に入り産後検診のための受診を控える傾向が見られたことにより、リクルートの速度が低下した。研究者自身もシステムの監視に努めた。 ・研究期間全体を通じては、英国の研究者から素材の翻訳・使用許諾を得て、スマートフォン向けアプリの開発した。開発業者と毎週打ち合わせを行って使いやすさの改善を行い、また、利用品質の質的評価を行うことにより質の高いアプリを開発することができた。虐待関連行動および虐待リスク尺度の系統レビューを行い、RCTで測定するアウトカム指標を検討した。当初は行政を通じて無作為化比較試験の参加者を募集する計画だったが難しくなり、病院の産科で募集する計画に変更することで、本試験を開始することができた。一方、研究期間内に十分な数の研究参加者のリクルートを完了することができなかった。今後は十分参加者が得られるまで本研究を継続する予定である。
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