研究実績の概要 |
本研究は、慢性腎臓病(CKD)の生活習慣関連リスク要因を前向きコホート研究を用いて検討することを目的としている。具体的には、CKDの新規発症と生活習慣関連要因を検討すること(スタディ①)、CKDと生活習慣、関連マーカーの相互関連を検討すること(スタディ②)が含まれる。対象者は魚沼コホート研究が基本であるが、近隣地域で行われている同様のコホート研究である湯沢コホート研究も含めた解析が一部で可能であった。H30年度は特に以下について行った。 スタディ①: 魚沼・湯沢コホート研究のベースラインデータの整理を行い、アンケート対象者 (n = 43,216)と健診対象者のデータセットを作成した。ベースラインアンケートと健診情報の両方ある対象者(n = 6,945)において、アルブミン排泄量(ACR) 30mg/g未満は78.4%、推定糸球体ろ過量 60ml/min/1.73m2以上は83.3%に認めた。また、自己申告CKDの病院診療録確認について、主な関連病院の倫理審査を受け、許可を受けた。地域住民に向け、魚沼・湯沢コホート研究本体の住民向け公開講座(9月14日)において本研究の進捗状況を報告した。 スタディ②: ・生活習慣関連マーカーとCKDの横断解析: 魚沼・湯沢コホート研究のベースラインアンケートと健診情報の両方ある対象者において、アルブミン尿と食事摂取頻度調査結果を解析し、食事性酸負荷とアルブミン尿 (ACR 10-299mg/g, 30-299mg/g)の関連を明らかにした。さらに、この検討では、カリウム摂取量とアルブミン尿に負の関連も認めた。また、生活習慣や生活習慣関連マーカーとdipstick潜血尿や蛋白尿の関連について検討を行った。 ・保存血液・尿検体の測定: 魚沼コホート研究の保存検体数・状況の整理を行い、本年度は血清6,400検体の尿酸や電解質の測定を行った。
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