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2017 年度 実施状況報告書

血圧、脈拍、これらの日間変動の加齢に伴う推移パターンの解明と予後との関連

研究課題

研究課題/領域番号 17K15853
研究機関東北医科薬科大学

研究代表者

佐藤 倫広  東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (70717892)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード高血圧 / 血圧推移 / レセプト / 疫学 / コホート研究 / データベース研究
研究実績の概要

日本医療データセンター(JMDC)から、年に約1回実施される健診を最低5回受診した30~74歳のデータを受領し、そのうち血圧および降圧治療データを有する者を対象としたとき、その平均年齢は46.0歳、男性は72.7%であり、大迫コホートデータと比較し、若年かつ男性の割合が高いことが明らかとなった。血圧データの利用可能性を検討するため、説明変数として性、年齢、BMI、喫煙、飲酒、糖尿病、脂質異常症、脳心血管疾患既往、降圧薬治療、および性×年齢、反復効果として年齢を設定した線形混合モデルによる反復測定解析を行うことで、加齢に伴う血圧の推移を検討した。全体を対象としたとき、収縮期血圧は、加齢とともに直線的に上昇し、65歳までは男性で高値を、65歳以降は女性で高値を示した。拡張期血圧は、男性では56歳、女性では64歳時に最も高値となり、ピークの値はそれぞれ78.9 mmHgおよび77.5 mmHgであった。これらの結果は、先行報告と概ね同様の報告であることから、本研究結果の一定の外的妥当性があると考えられた。一方、降圧治療が初めて確認された検診前後の血圧データを比較すると、平均で収縮期血圧 約10 mmHgの低下が認められており、精度の高い血圧推移パターンの把握には、これら治療の影響を考慮する必要があると考えられた。
一方、大迫コホート研究については、例年実施する家庭血圧測定ならびに、71名に対して耐糖能健診を、88名に対して頭部MRI検診(うち重複55名)を実施することでベースラインデータを追加した。並行して、脳卒中発症追跡データの延長も実施し、今後の解析に貢献した。併せて、夜間血圧と予後との関連も検討し、本研究への血圧データの利用可能性が十分であることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の通り、JMDCデータの解析も進み、大迫コホート研究についても追加調査等が予定通り進んでいるため。

今後の研究の推進方策

JMDCデータについて、レセプトに含まれる医薬品データの整備を進める。世界保健機構が示す一日平均維持用量(Defined Daily Dose)を基に、処方用量を加味したデータを作成することで、精度の高いデータベースの構築を目指す。まず降圧薬について、DDDに基づく用量統一化が有用と判断された場合は、糖尿病、脂質異常症治療薬についても着手する。また、レセプト傷病名を用いた脳卒中、冠動脈疾患、認知機能障害(認知症)の定義については、先行報告などを踏まえてそれぞれの傷病名の妥当性を検証し、場合によっては診療行為や服薬情報を加味してそれぞれの傷病データの精度を高くする。整備された傷病データを基に層別解析を行い、臓器障害が血圧推移に及ぼす影響を明らかにする。
大迫コホート研究については、例年の調査を継続するとともに、データベース化を進め、まずは家庭血圧・脈拍やその他血圧関連の指標の加齢に伴う推移パターンについて解明する。得られたデータをJMDCの結果と比較することで、外的妥当性の検証も行う。

次年度使用額が生じた理由

来年度の必要物品購入に備え、本年度の使用を多少控えたため。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Nocturnal blood pressure decline based on different time intervals and long-term cardiovascular risk: the Ohasama Study2017

    • 著者名/発表者名
      Satoh Michihiro、Asayama Kei、Kikuya Masahiro、Inoue Ryusuke、Tsubota-Utsugi Megumi、Obara Taku、Murakami Keiko、Matsuda Ayako、Murakami Takahisa、Nomura Kyoko、Metoki Hirohito、Imai Yutaka、Ohkubo Takayoshi
    • 雑誌名

      Clinical and Experimental Hypertension

      巻: 40 ページ: 1~7

    • DOI

      doi: 10.1080/10641963.2016.1259324

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Home blood pressure predicts stroke incidence among older adults with impaired physical function2017

    • 著者名/発表者名
      Murakami Keiko、Asayama Kei、Satoh Michihiro、Hosaka Miki、Matsuda Ayako、Inoue Ryusuke、Tsubota-Utsugi Megumi、Murakami Takahisa、Nomura Kyoko、Kikuya Masahiro、Metoki Hirohito、Imai Yutaka、Ohkubo Takayoshi
    • 雑誌名

      Journal of Hypertension

      巻: 35 ページ: 2395~2401

    • DOI

      doi: 10.1097/HJH.0000000000001473

    • 査読あり
  • [学会発表] Nocturnal blood pressure decline based on different time intervals and long-term cardiovascular risk: the Ohasama Study2017

    • 著者名/発表者名
      Michihiro Satoh, Kei Asayama, Masahiro Kikuya, Ryusuke Inoue, Megumi Tsubota-Utsugi, Taku Obara, Keiko Murakami, Ayako Matsuda, Takahisa Murakami, Kyoko Nomura, Hirohito Metoki, Yutaka Imai, and Takayoshi Ohkubo
    • 学会等名
      27th European Meeting on Hypertension and Cardiovascular Protection (ESH)
  • [学会発表] 一般地域住民における家庭血圧に基づく高血圧の分布 -大迫研究-2017

    • 著者名/発表者名
      佐藤倫広、村上任尚、浅山敬、菊谷昌浩、井上隆輔、坪田恵、小原拓、村上慶子、松田彩子、原梓、野村恭子、目時弘仁、今井潤、大久保孝義
    • 学会等名
      第66回東北公衆衛生学会
  • [学会発表] 家庭血圧および家庭脈拍とそれらの日間変動の加齢に伴う推移 ―大迫研究―2017

    • 著者名/発表者名
      佐藤倫広、浅山敬、菊谷昌浩、井上隆輔、小原拓、村上慶子、村上任尚、原梓、川崎良、野村恭子、目時弘仁、今井潤、大久保孝義
    • 学会等名
      第40回日本高血圧学会総会
  • [学会発表] 大規模な市販後調査データに基づくCa 拮抗薬の降圧速度stabilization time の算出2017

    • 著者名/発表者名
      野田紗也香、佐藤倫広、鈴木裕之、八木朋美、村上任尚、目時弘仁、村井ユリ子、中村仁
    • 学会等名
      第27回日本医療薬学会年会

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公開日: 2018-12-17  

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