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2018 年度 実施状況報告書

自立超高齢者における要介護への進行予測に有用な動脈硬化指標の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K15855
研究機関東北大学

研究代表者

平田 匠  東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 講師 (00383795)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードコホート研究 / 後期高齢者 / バイオマーカー
研究実績の概要

平成30年度も平成29年度に引き続き、85-89歳でかつ要介護認定を受けていない(自立または要支援1に該当する)川崎市民を対象としたコホート研究のベースライン調査を実施した。平成29年度は川崎市立川崎病院・川崎市立井田病院の2病院で調査を実施していたが、平成30年度はこれら2病院に加えて川崎市立多摩病院でも調査を実施し、最終的に1,028名(男性514名、女性514名、平均年齢86.6歳)の川崎市民に対する調査を終了した。
それと並行して、平成29年度にベースライン調査を行った対象者396名(男性190名、女性206名)の測定データ入力を終了した。同対象者の特性として、平均年齢は86.7歳、平均BMIは23.1であり、心疾患の既往を有する対象者が118名(29.8%)、脳血管疾患の既往を有する対象者は46名(11.6%)であった。動脈硬化性疾患のリスク因子に関しては、平均収縮期血圧142.8mmHg、平均拡張期血圧75.1mmHgであり、半数以上の対象者に高血圧を認めていたが、平均LDL-C110.2mg/dL、平均HbA1c6.0%と脂質・血糖に関するコントロール状況は概ね良好であった。認知機能に関してはMini-mental State Examination(MMSE)総得点の平均が25.9点であり、認知症が疑われるMMSE総得点21点以下の対象者は26名(6.6%)であった。
さらに、同調査の保存血清を用いて要介護への進行のリスク因子となりうる新規バイオマーカー(レチノール結合蛋白4(RBP4)、インターロイキン6(IL-6))の測定を実施し、これまで596名分(全対象者の58.0%に該当)のRBP4、ならびに391名分(全対象者の38.0%に該当)のIL-6測定を終了した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度・平成30年度の2年間で、当初の目標としていた1,000名を超える後期高齢者の川崎市民に対するベースライン調査を終了することができた。また、要介護への進行予測に活用できる可能性がある各種動脈硬化指標の測定も順調に進捗している。以上のことから、現在までの進捗状況としては「おおむね順調に進展している」と判断される。

今後の研究の推進方策

平成31年度(令和元年度)は、ベースライン調査を実施した対象者に対して追跡調査(定期的な電話調査)を実施してADLの評価・入院の有無・要介護認定の有無などに関する対象者からの聞き取りを行うとともに、主要アウトカムとして設定している要介護認定の有無について川崎市より情報を取得するための準備を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

平成30年度より要介護への進行予測に役立つ可能性が高い各種バイオマーカーの測定を開始しているが、現在までに全対象者の半数程度の測定にとどまっており、平成30年度の使用額が当初の予定ほど増えなかったことが原因であると考えられる。平成31年度(令和元年度)は引き続き対象者の保存血清を用いて要介護への進行予測に役立つ可能性が高い各種バイオマーカーの測定を実施する予定である。さらに、国内・国際学会に積極的に参加し、本研究に関する情報収集を継続するとともに、可能であれば本研究の成果を国内・国際学会で報告することも検討する。

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公開日: 2019-12-27  

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