オンライン開催されたWorld congress pf epidemiology2021にてBOSHIコホートにおける妊娠女性の体重増加と出生時体重の関係の検討結果を発表した。繰り返し測定された妊娠女性の体重増加量のうち、どの時期の増加量が出生体重を予測するかを探索した。 児の出生体重をアウトカムにした線形モデルの決定係数はどの時点の体重増加量を説明変数とした場合も十分ではなかった。また、児の低出生体重(2500g未満)を目的変数としたロジスティック回帰分析にてROC曲線のAUC、calibration plotおよびBriers scoreを計算し、妊娠中体重増加量の測定値の時点数を増やすことの予測性能の変化を評価した。先行研究にて周産期アウトカムと関連が示されている妊娠女性の妊娠前情報、児の性別、パートナーの体格等を説明変数に加えたモデルのAUCは0.80前後を示したが、体重増加量の繰り返し測定値を説明変数に入れることによるAUCの改善は乏しかった。具体的には3か月目測定値以降から順番に説明変数をふやしたところ、7か月目以降の体重増加量を追加することによる指標の変化はほぼなかった。繰り返し測定されたリスク因子(体重増加量)の時点間相関が非常に高く、多数回の測定を行っても情報が増えないことが理由であり、頻回測定よりも、少数回の正確な測定が重要であると考えられた。また、これまでに報告した妊娠女性の体重増加量と出生体重の因果モデルによる関連の推定結果と同様、初期、中期の体重増加量が出生体重と関連すると考えられた。
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