研究課題/領域番号 |
17K15860
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研究機関 | 独立行政法人労働者健康安全機構 日本バイオアッセイ研究センター(試験管理部、病理検査部) |
研究代表者 |
後藤 裕子 独立行政法人労働者健康安全機構 日本バイオアッセイ研究センター(試験管理部、病理検査部), その他部局等, 主任研究員 (80722090)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | フタル酸エステル / 妊婦 / 代謝速度 |
研究実績の概要 |
【研究目的】近年、プラスチックの可塑剤のフタル酸エステル類の次世代影響が動物実験に加え疫学研究においても報告されている。これらの研究において適切な曝露評価と毒性評価が重要であるが、妊婦の血中におけるフタル酸エステル類の代謝(リパーゼ活性)には不明な点が多い。本研究は、血中リパーゼ活性に対するエステル基の構造―活性相関を明らかにし、その活性の変化が妊婦の曝露評価に及ぼす影響を明らかにすることを目標に、これまでにフタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)の代謝速度測定方法を確立し、妊婦の血中におけるDEHPのリパーゼ活性を測定した。本年度はフタル酸ジブチル(DBP)の血中代謝速度(リパーゼ活性)測定方法を検討した。 【結果】DBPの代謝物であるフタル酸モノブチル(MBP)の分析検討を行ったところ、MBPはMEHPに比べて感度が低かったことから、検量線の範囲を高めに設定して検量線の直線性を確認したが、濃度依存的にイオン比が上昇せず、直線性は確認できなかった。内部標準のMBP -dは濃度を上げると安定して検出された。 【今後の検討課題】MBPの感度が低く、濃度を上げても濃度依存的なイオン比の上昇が認められなかったことから、新しい標準品を用いて質量分析計におけるMBPの測定条件の見直しを行う。その後、MBPの検量線、日内変動、日差変動の検討を行い、妊婦の血中におけるリパーゼ活性を測定する。その結果をもとに、フタル酸エステルの構造の違いが妊婦の血中におけるリパーゼ活性に与える影響について考察を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理由:実験系自体は機能しているが、新型コロナウイルス感染症により移動が制限されたため、分析機器を借りている大学へ行く機会が減り、予定より遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度新規に分析対象としたMBPはMEHPより感度が低く、濃度を上げても濃度依存的なイオン比の上昇が認められなかったことから、新しい標準品を用いて質量分析計におけるMBPの測定条件の見直しを行ってMBPの代謝速度測定方法の確立を目指し、リパーゼ活性に対するエステル基の構造―活性相関を明らかにする。また、DEHPの妊婦における血中代謝速度(リパーゼ活性)について論文投稿を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のための移動制限により、分析機器を借りている大学へ行く機会が減り、実験が予定より進まなかったため、次年度使用額が生じた。令和4年度はMBPの代謝速度測定方法を検討するために必要な出張費用、試薬、消耗品等を計上するとともに、論文の英文校正費及び掲載料を計上する予定である。
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