研究課題/領域番号 |
17K15863
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
新杉 知沙 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 国際栄養情報センター, 研究員 (30794185)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 南アジア / 発育阻害 / 痩せ / 過体重 / 体脂肪率 / 皮下脂肪厚 / 上腕周囲径 / 社会医学 |
研究実績の概要 |
2019年度は、学校食育プログラムの効果検証を実施するため、ケラニア大学の協力の下、現地医師や公衆栄養の研究者らと議論を重ね、英語および現地語(シンハラ語・タミル語)の調査書類一式を作成した。また日本及び現地の研究倫理審査委員会からの研究許可を取得し、調査に必要な測定機器の調達や現地調査員の訓練を行う等、現地の研究体制を整えた。 また初年度に実施した横断調査のデータを用いて、子どもの栄養不良に関連する要因との関連を検討した:家庭環境(母親の教育歴、雇用形態、世帯の等価所得、母親の体格)・生活習慣(食多様性及び菓子嗜好飲料、通学手段及び通学時間、睡眠時間、身体活動)。特に生活習慣については、男児の痩せは通学時間、男児の過体重は菓子嗜好飲料摂取と関連がみられ、女児の過体重は一日あたりの中強度の身体活動時間及び睡眠時間と関連がみられた。また資源の限られた地域においてフィールド疫学調査を実施する際に有用である、上腕周囲径(MUAC)を用いた栄養不良(痩せや肥満)の最適基準値を求めた(痩せ:MUAC 167.5mm、肥満:MUAC 218.0mm)。さらに皮下脂肪厚により体脂肪率を算出し、他の栄養指標(ウエスト身長比(WHtR)やABSI等)を用いた肥満の基準値の探索も進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初予定していた介入研究は、同時爆破テロの発生により遅れが生じ、さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響により中断している。一方、横断調査のデータ解析は順調に進めており、学会および学術論文にて成果報告を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により介入研究再開の見通しは立っていないが、現地の関係者と密に連絡を取りつつ状況把握に努める。その間、横断調査のデータ分析を進め、さらなる研究成果の公表を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)新型コロナウイルス感染拡大の影響により研究が中断したため。 (使用計画)介入研究の現地調査費に充当する予定である
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