研究課題/領域番号 |
17K15864
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
高橋 弘毅 関西医科大学, 医学部, 助教 (30609590)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 医療関連感染対策 / 分子疫学検査 / POT法 / MRSA |
研究実績の概要 |
本研究は、救命救急センターにおける医療関連感染症の現状を明らかにし、新たな感染対策を構築することを目的とした多施設研究であり、医療関連感染症の原因となるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を主なターゲットの細菌とした研究を予定している。研究方法の概要は、積極的監視培養によりや臨床培養により入院中の患者から検出されたMRSAに分子疫学検査(POT法)を追加することでMRSAの遺伝子型を同定する。また、医療従事者の鼻腔や環境の培養を定期的に採取し検出されたMRSAに対しても患者から検出されたMRSAと同様にPOT法を実施する。菌株同士の遺伝子型を比較し医療感染感染症を明らかにするものである。本研究は、関西医科大学附属病院高度救命救急センターをはじめ、関西医科大学附属総合医療センター、大阪大学医学部附属病院、大阪府立急性期総合医療センターなど複数の救命救急センターに入院する全患者を対象としている。平成29年度においては、各救命救急センター代表者に研究内容を説明し周知徹底を行い、倫理委員会への資料の提出の準備、検体収集手順の確率、検体やMRSAの移送手順の確立、培養手順の確認、POT法の施行手順についての確認を行うことで研究の基盤の構築を行なった。施設におけるMRSAの検出状況や院内感染が疑われる事例に対しての後ろ向きの検討を行うことで研究開始に向けて接触感染予防対策の現状確認・周知徹底を行なった。当初予定されていた初年度の菌株の収集作業については次年度以降に繰り越しとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
倫理委員会の通過、各病院との連携に時間を必要としているため、菌株収集までに時間を必要としている。 人を対象とする倫理指針の改定に伴い、当初予定されていた研究計画では倫理委員会の許可を得ることが困難であり、研究計画の見直しが必要であった。各施設への説明会は開催できており研究内容の周知は行うことが出来ている。
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今後の研究の推進方策 |
各施設との連携は得られており、倫理委員会との話し合いが進めば研究は予定通り行うことが可能である。次年度は各救命救急センターからMRSAを集めPOT法を行い、結果を解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
別記のごとく研究の進行に遅れを来しており予定されていた菌株の収集、培養、分子疫学検査(POT法)の実施や菌株の保存を行うことが出来ていないため、予定されていた試薬の購入費用が次年度に繰り越しとなった。菌株の収集開始に伴い、次年度施行される検査と合わせ、今年度使用予定の研究計画とともに当初の予定通りの計画を進めいていく予定である。
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