研究課題
若手研究(B)
本研究では、多様な疾患の画像診断支援を実現するための統合的画像診断支援システムの構築を目的とした。このシステムは、コンピュータ支援診断(CAD)システムに含まれる病変検出機能と、病変の特徴量から疾患を推測するための画像診断オントロジーを組合わせたものである。今回の研究期間では、放射線画像レポートに必要な用語と画像解析に関連する用語を教科書や論文抄録から本システムの基盤となる正常画像解剖、疾患と画像所見、画像所見と画像解析に関する3つのモデルを構築した。
医療情報学
本オントロジーは、画像データから得られる特徴量を抽出し、その出現パターンや濃度勾配等を既知の医学知見と照合し、医学的事象の判断能力の獲得を目指している。これは、人工知能技術による医療者の思考と類似した処理の実現である。本研究で構築したオントロジーは幅広い疾患に対応するCADシステムの基盤となるとともに、処理過程が明確となるため、説明可能な人工知能システムの開発にもつながると考えている。