研究課題
本研究課題では、特に医療・介護の連携体制が重要であると考えられる脳卒中・大腿骨頸部骨折を対象疾患とし、医療・介護連携体制が医療・介護資源利用に与える影響を明らかにすることで効率的かつ質の高い医療提供体制及び地域包括ケアシステムの構築に貢献することを目的とした。本年度からは、平成29年度に構築した福岡県の後期高齢者医療制度の医療・介護レセプトデータベースに加え、国保データベース(KDB)を利用できることとなった。そこで、本年度はKDBを用いて、65歳以上の高齢者における大腿骨骨折術後・脳卒中における医療・介護費の推計を試みた。医療・介護レセプトデータベースの推計結果と比較したところ、KDBデータには国保中央会での名寄せ処理の際に、医療機関での入力規則等によって、一部のレセプトデータが欠測しているものが見られた。さらに、がん患者においても在宅医療・介護連携の分析として、終末期に着目した解析を行い、その成果について学会発表を行った。加えて、並行して糖尿病患者の受診パターンと血糖管理の関連に関する研究を行っている際に、医療・介護連携に焦点を当てた本研究から、ケアの継続性というより広い概念に拡張し、多くの疾患を対象とした研究へと発展させる事ができないかという着想を得た。このため、本来は次年度が最終年度であったが、研究計画や研究体制を再構築した上で、基盤研究(B)「保健医療介護縦断データベース構築とケア継続性の長期的影響評価への応用」として前年度申請し、採択された(19H03879)。今後は、ケアの継続性が長期予後及び医療・介護費に与える影響を明らかにしていく。
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Journal of Diabetes Investigation
巻: in press ページ: in press
https://doi.org/10.1111/jdi.13025
International Journal for Quality in Health Care
https://doi.org/10.1093/intqhc/mzy233
MPRA Paper
巻: 86329 ページ: 1-14