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2020 年度 実施状況報告書

ホスホホリンおよび遊離アミノ酸に着目したラセミ化反応による年齢推定法の改良

研究課題

研究課題/領域番号 17K15878
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

石井 名実子  国際医療福祉大学, 医学部, 助教 (10782386)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード法医学 / 年齢推定
研究実績の概要

千葉大学医学部法医学教室より塩酸対応エバポレーターを移転し点検を実施した他、昨年度に引き続き、歯象牙質内のアスパラギン酸のL体及びD体のピークをより明瞭に検出するための条件設定をGCMSにて再設定した。その後、抜去した第二小臼歯の象牙質のみの切片を作成し粉砕した後、従来の濃塩酸で100度・6時間加水分解するのではなく、希塩酸にて象牙質内の遊離アミノ酸のみを抽出し、GCMSにてアスパラギン酸の光学異性体の検出を実施したが、含有アスパラギン酸量が微量であり検出されなかった。
次に、象牙質粉末を加水分解する手技の簡略化について検討した。従来法では象牙質を濃塩酸6mLを使用し、100度・6時間かけて加水分解後エバポレーターを使用して塩酸を揮発させてアミノ酸粉末を抽出してきた。しかしこの手技では濃塩酸の揮発には、4時間以上の時間が必要である。さらに濃塩酸試料に対し、エバポレーターを長期にわたって使用することによってエバポレーター内部が腐食し、故障が多発する原因となっていた。そこで手技の簡略化の一環として、加水分解の過程で使用する濃塩酸の量を減少させ、歯象牙質のアミノ酸抽出に影響がないかを、現在検討している。
その他、国際医療福祉大学にて実施された法医解剖事例において齲蝕・治療痕のない下顎第二小臼歯を抜歯、GCMSを使用した硬組織からのアミノ酸光学異性体抽出方法に関する論文の検索を実施した。また、オンラインないし現地で開催された学会に参加し情報収集を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本年度は新型コロナによる緊急事態宣言等、社会情勢の影響を受け実験を実施する体制が整わなかった。さらに、塩酸対応エバポレーターの搬入に関してもこれらの影響を受け、納入が遅れた。以上の結果検量線の作成・検討まで至ることができなかった。

今後の研究の推進方策

塩酸対応エバポレーターの一部に不具合が生じたため、今後修理する予定である。修理完了後、本年度に引き続き歯の象牙質からアミノ酸を抽出するための加水分解の手技において、濃塩酸量を減少し、加水分解後のエバポレーターによる濃塩酸の濃縮・揮発時間を短縮することによって手技を簡便化することを検討する。また従来の6時間かけて加水分解する工程に対し、加水分解時間の短縮を検討した報告はこれまでない。よって濃塩酸による歯の象牙質の加水分解時間の短縮を検討する。以上より加水分解の手技を簡便化した後、検量線の作成・測定に対する検討を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

使用するアミノ酸抽出カートリッジは前年度購入したものを使用したため購入には至らなかった他、社会情勢の影響を考慮し、機材の購入を控えていた。
来年度に、吹付け濃縮装置及びアミノ酸抽出カートリッジを購入、その他必要に応じて試薬を購入し、手技の簡易化及び検量線作成について検討を実施する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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