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2021 年度 実施状況報告書

ホスホホリンおよび遊離アミノ酸に着目したラセミ化反応による年齢推定法の改良

研究課題

研究課題/領域番号 17K15878
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

石井 名実子  国際医療福祉大学, 医学部, 助教 (10782386)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード法医学 / 年齢推定
研究実績の概要

昨年に引き続き法医解剖遺体において齲蝕や治療痕のない下顎第二小臼歯の抜歯を実施した。抜去した歯を利用し、手技の簡略化のため、従来利用してきた樹脂カラムではなくこれまでに本研究にて検討してきたアミノ酸抽出用カートリッジを使用した手法でアスパラギン酸の抽出を継続して行い、歯牙象牙質内のアスパラギン酸のD体/L体比をガスマトグラフ質量分析計(GCMS)を使用して算出し、従来法と同様に年齢推定実施のための検量線が作成できるかどうかを検討した。しかし、カートリッジを使用した場合でも従来法と同様に歯の象牙質内のアスパラギン酸のL体とD体の量が微量であり、2つのピークが近接しているため測定結果が不明瞭になってしまう場合が多かった。そこでGCMSのスプリット比や昇温設定等を再検討した。
また、前年度においては硬組織である歯の象牙質内のタンパク質を分解するために実施する加水分解の工程で、使用する濃塩酸を濃縮するために利用したエバポレーターの故障が相次いだ。そこでエバポレーターの負担を軽減させるため、濃塩酸の量をこれまでの1/3に減少した状態で加水分解を実施し、濃縮時間を短縮しアスパラギン酸を抽出したところ、従来の濃塩酸量を使用した手技と同様にアスパラギン酸の抽出が可能であることが明らかとなった。その他、さらなる機器の負担減少と手技の簡略化に向けて歯など硬組織の加水分解方法を検討した論文を検索し、オンラインないし現地で開催される学会に参加して情報を収集した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本年度も昨年度に引き続き新型コロナウイルス感染症による社会情勢の影響を受け、実験を実施する体制がうまく整わなかった。さらにワクチン接種による後遺症やその他の研究との調整がうまくできず進捗が遅れてしまった。

今後の研究の推進方策

引き続き歯の象牙質の加水分解時間の短縮を目的として、以前より温度を上昇した状態でエバポレーターを使用し濃塩酸の濃縮時間を短縮することを検討する。また、エバポレーターの負担を軽減するため濃塩酸ではなく希塩酸を使用し、かつ12時間程度遠心分離を実施することによって遊離アミノ酸を抽出できないかどうかを検討する。これまで検討してきたカートリッジ使用によるアスパラギン酸抽出方法の簡略化とともに手技の改良を論文化する。

次年度使用額が生じた理由

本年度は吹付け濃縮装置の購入を予定していたが、他分野で使用しているものを共同で利用することが可能となったため購入しなかった。今後、カートリッジ購入他、カラム購入やGCMSメンテナンスに資金を使用する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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