非アルコール性脂肪性肝炎、NASHは肥満を中心としたメタボリック症候群の肝臓病変である。NASHは心筋梗塞の発症および死亡に強く関与しており、法医解剖でよくみられる疾患のひとつである。しかし、その病態機序には不明な点が多い。私たちはモデルマウスを用いて、NASH病態初期に肝臓内皮障害が起こり、内皮障害からKupffer細胞や肝星細胞が異常に活性化することを明らかにした。反対に、Kupffer細胞の活性化が内皮障害や肝星細胞の異常な活性化を起こすことを明らかにした。これらの研究成果は増え続ける肥満やメタボリック症候群による健康障害を抑えるための新しい予防・治療戦略に繋がることが期待される。
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