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2018 年度 実施状況報告書

アルツハイマー病のミトコンドリア障害におけるGDF15の意義および臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 17K15887
研究機関筑波大学

研究代表者

辻 浩史  筑波大学, 医学医療系, 講師 (40633970)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードGDF-15 / ミトコンドリア / アルツハイマー病 / 神経変性疾患
研究実績の概要

GDF(Growth differentiation factor ) 15蛋白は,もともと胎盤において発見された成長因子で,損傷した組織や疾患の進行中において,炎症やアポトーシスを調節する機能をもつTGFβスーパーファミリーに属する分泌蛋白質である.これまでミトコンドリアが直接障害される代表的な疾患としてミトコンドリア病の血清中で増加していることを明らかに,ミトコンドリア病の診断アルゴリズムにも記載されるようになった.さらにGDF15はミトコンドリア病だけではなく,大規模高齢者コホート研究で血清GDF15濃度の上昇が死亡の予測因子であることが明らかになり,ミトコンドリア機能異常が高齢者の負のアウトカムと推測されている.このようにGDF15はミトコンドリア障害を直接反映するマーカーとなり,ミトコンドリア機能異常が推定される主種の神経疾患においても関係があると考えた.さらにGDF-15は血液悪性腫瘍で血清濃度が上昇していることが報告されている.
今年度は炎症性疾患である多発性硬化症と画像所見が類似している脳腫瘍において髄液中のGDF15濃度を測定した.結果は,髄液中GDF15濃度は多発性硬化症 73.7 pg/ml,脳腫瘍 224.2 pg/mlであり,脳腫瘍で優位な上昇を認めた.この結果により,GDF15は腫瘍性病変から分泌していることが改めて示され,両疾患を鑑別するバイオマーカーとなりえることが示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新たな知見が得られたことにより,GDF15の臨床応用への可能性が高まった.

今後の研究の推進方策

他の疾患および症例数を増やして解析を進める.さらに他のバイオマーカーとの関係についても解析を進めていく.

次年度使用額が生じた理由

当初の計画よりも低予算で研究が遂行できたため.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Alien leg phenomenon in corticobasal syndrome2019

    • 著者名/発表者名
      Nohara Seitaro、Tsuji Hiroshi、Tamaoka Akira
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Neuroscience

      巻: 64 ページ: 254~255

    • DOI

      10.1016/j.jocn.2019.03.053

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Meningeal carcinomatosis presenting with leukoencephalopathy-like imaging findings2019

    • 著者名/発表者名
      Tsuji Hiroshi、Ayako Shioya、Takayashiki Norio、Irie Toshiyuki、Itoi Satoshi、Kodama Taisuke、Kaji Yuki、Matsuoka Ryota、Mashiko Ryota、Shibata Yasushi、Ishii Akiko、Siato Yuko、Tamaoka Akira
    • 雑誌名

      eNeurologicalSci

      巻: 14 ページ: 21~23

    • DOI

      10.1016/j.ensci.2018.11.018

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2019-12-27  

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